5000点以上の木簡が出土 藤原京の役所跡
(平成13年)11月奈良で成果発表
 
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 橿原市上飛騨町で見つかった,日本初の法典・大宝律令(701年)に基づく藤原京(694〜710年)
の中枢省庁「中務省」(なかつかさしょう)の関連施設とみられる役所跡で,5000点以上の木簡が出
土した。奈良文化財研究所は「大宝律令の内実を考える貴重な”古文書”」と説明している。
 市営住宅の建て替えで約3000平方メートルを調査。今年6月,読解した木簡1200点について,宮
からの物品搬出を管理した「門ぼう制」に基づく搬出願いが多く含まれると発表。その後も発掘や木
くずの洗浄を続けた。絹の搬出願いとみられる「練遣し二匹」(ねりつかわすあしきぬにひき)と記
した木簡などがあり,中務省の関連施設との説を補強した。
 奈文研は11月3日午後1時半,奈良市佐紀町の平城宮跡資料館(0742・34・3931)講堂で成果を
報告する。報告者と演題は,山下信一郎・文部科学技官「木簡が語る藤原京と大宝律令」▽高妻洋成
・主任研究官「古代の証人『木簡』を次の世代へ」。明日香村奥山の飛鳥資料館(0744・54・3561)
では30日〜11月11日,出土した木簡10点を展示解説する。5日に木簡10点を入れ替える。
(記者:花岡洋二)
 
2001年(平成13年)10月28日(日)毎日新聞掲載
 
 
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