三輪そうめん
 
古来より伝わる手づくりの
  技と味が日本のこころを伝えてくれる−−三輪素麺
 
 
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■由来
 三輪の手延べ素麺の技術は技術は千二百有余年前、崇神天皇の御代に三輪の大神主で
あった大神朝臣狭井久佐(さいくさ)の次男、穀主(こくぬし)が三輪の里が小麦の生育に
適するのを知り、民に栽培させその小麦を以て粉にひき棒状にねり更にこれを乾燥して
保存食としたのが始まりとされています。三輪の里人に広く伝承されてた製法はしだいに
糸の如く細く長く改良を加えながら熟達し今日に受け継がれております。
 
■調理方法
そうめんはなによりもゆで方がたいせつです。
夏:少し多い目のお湯(5把につき約2.7リットルの水に塩を少し入れておくとよいでし
 ょう)が沸騰してから、素麺の把を解いて入れ、静かに攪拌して煮上がりますとざるに
 上げ清水で冷やした後、味汁に配してお召し上がりください。
 あっさりとしたひやし素麺、お好みのかやくをたっぷり盛り込んだかやく素麺、どちら
 も紅葉の若葉や氷などを添えると食欲も大いに増進します。
冬:ゆで上げた素麺にお好みの品を入れ、煮出し汁と共に温めてお召し上がりいただき
 ますとまた格別の味わいがございます。
 かやくたっぷりのかやくにゅうめん、ゆで上げた麺にカレー汁をかけたカレーめん、
 お好みに合わせて、ポタージュスープやシチュー、八宝菜汁などでもお楽しみください。
 
夏は味覚をそそる冷やしそうめん、春と秋にはお吸い物の椀だねやお野菜の煮込み、
冬は温かいにゅうめんや鍋もの、油炒めなど四季を通じて手軽にお料理してお召し上がり
ください。
 残った麺はザルなどにあげ水を切って、冷蔵庫でご保存ください。ふやけることなく
風味も保てます。
      夏のそうめん(三輪そうめん山本本社にて) 
■つゆ
 良いそうめんはおいしいつゆで引き立ちます。いろいろなつゆが市販されていますが、
ご家庭の味をお持ちになるのも楽しいものです。標準的なつゆの割合を示します。
つけじる(冷水に浸した麺をとりながらつけていただきます。)
■こんぶとかつおの煮出し汁2カップ ■みりん大さじ3杯
■砂糖大さじ一杯 ■塩小さじ1/2カップ
 
■貯蔵方法
 手延べ素麺は3年程度までは永く置くほど風味を増し、歯ごたえが一層よくなります。
三輪の手延べ素麺は完全な貯蔵倉庫で1年、2年とねかせています。
 ご家庭では湿気の少ない風通しの良い所に保存してください。直射日光もさけてくださ
い。(特に高温多湿場所はさけてください。)保存期間中、万一表面が変色しましても、
ゆで上げた後、良く水にさらしていただくと衛生面からも風味の点からも、変わることは
ありません。
 
■製造法
<第1日>夕刻6時頃より、小麦粉と食塩(塩0.75%くらい)を《こね桶》で約50分
 くらい練り、《だんご桶》に移し、厚さ10cmくらいに圧延し、一夜熟成させる。
<第2日>早朝6時頃より前夜からの《だんご》を、巾約10cmぐらいの渦巻き状に切り
 ロール機にかけて細めに引き延ばす《油返し作業》、さらに《細目》《小撚り》などの
 引き延ばし作業を続け、はじめの10cmの太さのものから7mmくらいの細さにする。
 それを2本の細い棒(10×550mm)に∽の字形にかけ《ムロ》に入れ、一夜熟成させ
 る。(ムロ:「長持ち」のような木製の箱)
<第3日>《かど干し》外干し、門干しとも書き、文字通り外で干す作業。前日ムロに入
 れたものをさばきながら約2mくらいにまで延ばして干す。(ムロ入れ当時は、棒と棒
 の間が約15cmくらいであったのが2mにまで延ばすため、細く細くなる)日中乾燥さ
 せて、午後4時ごろから、干し上がった素麺を長さ19cmの寸法に切断して、一束50g
 に結束して製品となる。
 
三輪そうめん山本本社内展示
 
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